成果を生み出す環境を作る
教育は難しいことだと思う。30年以上もその道のプロとして勤めてきたつもりなのに、実はまだあまり自信がない。
「人は教えられて育つのではない。自ら目標を定めて努力して育つ」。これは教員にとってはアンチテーゼかもしれないが、本当の事だと思う。教えられて偉くなる人はいない。自ら成長しようと努力して人は偉くなる。だから、教員の仕事の一番大きなことは学生たちがこのことを分かるための環境を作ることだ。
産学連携プロジェクトの意味もここにあると思う。あるプロジェクトに加わった学生が、研究とは何のために行うのだろう、どうすれば社会貢献できるのだろう、ということを真剣に感じる最初の体験を提供することは、賛否両論あるだろうが、私は大学教員の重要な役目だと思う。
32年前、学生たちと飲み歩いて明るく楽しい研究室作りに励んだ。明るく楽しく働けて、真剣で正しい成果を生みだす環境を職場に作ることは経営の基本かもしれない。大学の研究室でも企業でもその点は同じだろう。
すべての価値は人が生み出しているから、価値を生み出す環境作りは極めて大切だ。大学の研究室が暗いと、世の中を変革できない人材、世の中を変革できない研究成果しか生み出せないと思う。教員を長くやってきて思うのは、明るく元気な研究室しか、人材育成もイノベーションに繋がる研究成果も生み出せないかもしれないということだ。
企業も国も同じだと思う。明るく楽しい環境を作って、価値創造を楽しむようになりたい。これが増えることが、日本の成長を取り戻すことと言ってもいいだろう。